夢はそう簡単には敵いません。
冬の寒さ
冬山にも登ったことがあるので、ある程度は想像してましたが、冬の寒さはそれなり
に厳しいです。たとえば、-15℃、
そこで生活するわけで、スポーツしているスキー場の寒さとは違います。
寒いのは寒いですが、その感じ方は人によってかなり違います。
つまり、個人差が非常に大きいです。
男性より女性が辛い様です。なみに私は速攻で慣れて、全然平気でした。
都会での生活から想像しにくいのは、
暖房がないと、家の中まで外気温と同じまで下がるということです。
風が吹かない、雪が降らないだけで、温度は外と同じまで下がります。
つまり、室内も-15℃まで下がるということです。
氷点下に下がると水という水は全部凍ります。
水は凍ると体積が増えて、どエラいことになります。
氷点下に下がらない工夫が必要ですが、駄目なら「水抜き」という作業が必要になります。
水抜きの作業は管理事務所や不動産屋さんにお願いすると有料です。
自分でやると結構面倒です。
普段住んでいれば、普通は(欠陥がなければ)水抜きは必要ありませんが、たとえば、お正月に実家に行く場合等、数日間家を空ける場合は要注意です。
私は、引っ越ししてきたその日に、水道管を破裂させました。
こちらの水道は必ず水抜き栓がついてますが、前回の水抜きがうまくいってなかったの
が原因です。お風呂場のタイルのヒビは、春になると毎年シーリングで塞ぎますが、冬を越すたびに増えてます。
昨年は、我が家の洗濯機が凍ってしまい(勿論室内なんですが、氷点下に下がったみた
いです)故障しました。バルブとセンサーがやられました。水洗トイレを凍らせると、
タンクが破裂するのは勿論、配水管に溜まっている水も凍って排水パイプもやられます。
水を使うもので、寒冷地対策された製品なら(洗濯機やウォシュレット等は対応して
ます) 取扱説明書の後ろの方に「水抜き」の方法が記述してあります。
逆に、寒冷地対策されていないものはこちらでは使えません。例えば、お風呂の混合
栓とか、台所の設備とかは寒冷地仕様は別製品になってます。新築する場合は、そう
いう部品を使う必要があります。
別荘の中古物件の場合「夏仕様」の場合が多い
ので、本当に冬も住めるか確認する必要があります。
いい加減な不動産屋さんなら冬も大丈夫ですと答えますが。
寒さ自体は、1年目が一番辛いと思います。
2年目以降は色々対策もするだろうし、体も慣れてぐっと楽になります。
お洒落なマンションは、フル電化されて石油ストーブ持ち込み不可のところがあり ます。
暖房まで含めたフル電化だと月々結構な電気代になる場合もあるみたいです。
貧乏な人は、要注意!
我が家は、薪ストーブ+石油ファンヒーターです。
建物が冷えていると、石油ファンヒーターで空気だけ暖めても寒いです。
床暖は、大別して電気と石油で不凍液を回す方法と2通りあります。
後者の方が安上がりですが、石油式の床暖は意外に壊れやすい。
10年で転売するならともかく、20年、30年と住むことを考えると壊れにくいもの
が良いかも知れません。
転びにくい歩き方
2015 追記簡単です。ホンダの ASIMO のように、歩くと転びにくいです。
膝を伸ばしきらないで、少し曲げたまま重心を低くして歩きます。
疲れますが、万が一ころんだ場合も被害も少ないです。
滑って転ぶといえば、階段、スロープは要注意です。
雪が降るとスロープが滑りやすいのは直ぐに想像できますが、階段も雪を直ぐにかかな いと直ぐに滑り台になって普通には歩けなくなります。水が溜まる階段は凍って、もっ と危険な状態になります。
最悪手すりがあれば、大分違いますが、毎日そんなところを歩きたいですか?
□防寒装備□
靴
足下が寒いのはかなり辛いです。
私はソルレ(SOREL)の防寒ブーツですが、ちょっとオーバースペック、強力過ぎ(冬でも水虫、超注意!)。
これで寒いと感じる人は居ないだろうと思う。
しかし重い。値段もちょっと高い。でも10年以上もつ。頑丈。
通は、大きめの長靴(安いヤツ)にソルレのインナーブーツを組み合わせると聞いた
ことがあるが、見たことはない。
氷が怖いので、滑りにくいものが何より大切です。
冬の庭作業用には、カインズホームで長靴を買いました。
作業中は、体を動かしているのでこれでも全然OK
ジャケット
我が家は引越前にモンベルのダウンジャケット、嫁さんとお揃いのを準備しましたが、 私はまだ一度も着用していません。普段はフリースの上にパーカーで充分です。
手袋
私は、普段は使ってませんが、車に積もった雪をはらう場合には欲しくなります。
2016 追記:犬の散歩のときリードを持つ手が寒い。私は軍手です。
帽子
オットセイとおなじで、お肉が防寒になっているという噂もあります。
※2016/12/7 追記:10月~11月、少し寒くなりかけた時に少し薄着で頑張って体を甘やかさない とかなり違います。
湿気
軽井沢の湿気は凄い、聞いてはいましたが、想像を超えてました。
東京の夏の湿気も凄いですが、そういう湿気とは違います。
知人が冗談で雲の上の人になったようです、と形容しましたが、
軽井沢は雲の上ではありません、雲の中です。
ちょっと天気が悪くなると、軽井沢はすぐに霧に包まれます。
引っ越してくるまで私は何度も軽井沢に訪れたことがありました。
ゴールデンウィークの頃、夏のお盆休みのころ、紅葉のころ、お正月休みにも
訪れましたが、天気の良いときは軽井沢とてもすがすがしくて気持ちよくて、
この湿気は全く想像できませんでした。ところが、ところが、本当に凄い。
そもそも、地名からして「軽井沢」、沢って、沢です。
他にも、成沢、釜の沢、前沢、泉の里、野沢原、桜沢、唐松沢、水が由来する地名
は多いです。
もう少し南には、扇平とかありますが、ヒラがつくとろは水が出たり
溜まる場所を指すことが多い。
○○○○は、池を埋めたてて作られたのは有名ですし、駅前にはまだ「矢ヶ崎池」
が残っておりますし、ちょっと離れると「雲場池」もあります。
軽井沢、少し掘れば水が湧き出します。
仮に霧が出なかったとしても軽井沢の地下は、水脈があって、浅間山からの地下水
脈があって、水がごーごーと流れて居るような場所なんです。
深夜耳を澄ますと、地下水の流れている音が聞こえます(嘘です)。
なので、こちらでは「除湿器」必需品です。我が家にも2台あります。
そういえば、洗濯物、軽井沢では外に干してある光景を殆ど見ませんでしょう?
観光地だから、条例で外に干しては駄目と、決まっているわけではありません。
こちらでは除湿器+室内干しが常識です。
苔むした軽井沢の別荘、使っていないときも除湿器が回りっぱなしです。
そうじゃないと、畳は腐り、靴箱の中の靴は、真っ白、木造の家はあっというまに朽ち
落ちてしまいます。
ところがこの湿気、一口に軽井沢と言っても場所によってかなり差があります。
そもそも、軽井沢の天気は、離山で1つ大きな境界があります。
それより東、軽井沢では雨が降っていたり霧がでていても、それより西では大丈夫な場合が多々あります。
中軽井沢の方がいわゆる軽井沢と比べると遙かに湿気は少ないです。
「住むなら、中軽」これ、こちらの地元民の常識です。
と言っても、我が家のある中軽井沢でも湿気は凄いです。
もう1つの天気の境界は、追分けの登坂車線辺りにあります。
軽井沢は雨や霧はしょっちゅうですが、佐久まで降りると佐久は日本有数の晴天日
の多い地域です。
一転、冬の湿度は非常に低いです。
カラッカラで、喉辛いです。
外は雪でも乾いた雪で、東京での雪のイメージとは違います。
2年間、原因が分からず、強力加湿器をガンガン焚きましたが、ようやく原因を
突き止めました。
これは一度家を冷した家を暖めることでそうなるんですね。
例えば、暖房を入れっぱなしにするなりして、一日の内の温度変化をなるべく
少なくして、室温を一定に保つようにすると、劇的に変わります。
この意味でも安全な床暖は圧倒的に優位です。
ヒント1
もし、軽井沢をよく知らないなら暫く賃貸で暮らしてみるという手もあります。暫く住めば、実際の様子が分かりますし、土地勘も湧きます。
しかし、賃貸じゃあ軽井沢の面白さは余り味わえませんが。
軽井沢ブルー
多分、これが一番深刻な問題です。
最初は多分大丈夫、数ヶ月後からじわ~っと来ます。
都会育ちの人が田舎に行くと、だれしもある意味軽いカルチャーショックに会うと
思いますが、軽井沢でもやっぱり本当の都会じゃないんですね。
都会の香りはしますが、やっぱり本当の都会とは違います。
それに、最初は知っている人が少ないので、多少なりとも孤独感を感じます。
都会から都会へ引越しても、周りは知らない人ばかりになりますが、この比じゃあり
ません。
TV は夜中までやっていません。
コンビニも23時で終わりです。
辺りは真っ暗。
昼間も夏はそれなりですが、冬場は人影も少なく、非常に寂しいです。
そもそも冬は寒くて出歩く気にならん。
友人も最初は来てくれますが、一巡するとそうそう遊びに来てはくれません。
別荘地に住んでしまうと、良く言えば雰囲気があったり風光明媚だったりしますが、
悪く言うと(悪く言わなくても、冷静に考えると実際は)山の中です。
普通は、こんなところに住まんぞ、というような場所です。
他方で地元の人と付き合うにも、Native な信州人か他所から流れて来た人かに因ら
ず、小さな町なので濃い人間関係になりがちです。都会の人、案外苦手ですよね。
これが心地よいと感じる人なら全然OK、
自分で色々なことを次から次へと始められる人もOKです。
性格がかなり影響します。
そうじゃなくて、受け身で生きて居る人はかなり退屈と感じるでしょう。
都会ならなにもしなくても入ってくる刺激がありますが、軽井沢ではこれが
少ないんですね。
退屈だと、つい要らんことを考えてしまいます。
酷いと鬱になられる方もいらっしゃいます。
仕事されている男性より、家に残される女性の方が軽井沢ブルーになられる方が
多いみたいです。
ここまでの意味なら、我が家は全然OKでした。
軽井沢の生活、私も嫁さんも楽しくて仕方ありません。
仕事している男性も無縁ではありません。
今の世の中、情報が勝負。
情報は気をつけていても、多少遅れます。それに、細かなニュアンスが都会に居る
ときほど、ダイレクトに伝わりません。良い悪いは別にして、都会の連中や客先と
感覚が知らな間に少しずれてしまうことがあります。後で詳しく述べます。
都会の人々を相手に仕事されていると、なんだか自分だけ取り残されたような気が
して、焦ります。
こちらは気にしてなくても、相手が軽井沢だと大変でしょうと変に気を遣ってしま
う場合もあります。
仕事するなら、やっぱり都会に居た方がやりやすいかも知れません。これ実感。
ま、でも、これは優秀な諸兄ならクリアできる問題と思います。
新幹線通勤もくせ者です。
東京まで1時間と少し、大宮なら40分ですが、ただの通勤時間1時間とは違います。
数ヶ月すると、一時的に体の調子が悪くなる方が多いです。
温度もそうですが、気圧の違いが大きいじゃないかと想像します。
これ、最初の山を乗り越えられれば大丈夫なようです。
私も一時、ほんの少しだけおかしくなりました。
寝不足で東京出張の日はてきめんに、酷い頭痛がしました。
体力
体力は思いの外、必要です。
上でも述べましたが、山の中なんですね。
山の上の紫外線は、空気の層が1000m近く薄くてその分強いです。
冬の寒さも厳しいです。
厳しい気象条件のもの、家は直ぐに傷みます。
中古物件なら、尚のこと、快適な状態に持って行くまでにいろいろやることが
あります。
庭があれば、庭掃除が必要です。
雑草は直ぐに伸び、風が吹くと枯れ枝がボロボロ落ちてきます。
紅葉の季節は、枯葉が凄い。
家の中も軽井沢じゃ有名なカマドウマを初め色々な虫はでるし、油断するとあちこ
ちに蜘蛛の巣ができます。
車には木々のヤニや野鳥の糞が落ちて、直ぐにまっくろになります。
それに、春と晩秋、年に2度タイヤ交換が必要です。
お金持ちなら全部、業者にやってもらうことも可能ですが、自分でやるなら、一年
を通して、色々やることあります。それに、田舎は車がなくっちゃ買い物にも行け
ません。夏は暑いだけでも体力を使いますが、こちらの冬はその反対、寒さに耐え
るだけでも体力を使います。
別に薪割りなんぞやらなくても、体力は、思いのほか必要です。
本気で移住を考えているなら、歳を取ったら、なんて考えず、若い内に移住してし
まった方が楽と思います。
ところが、案外、歩かない。
少しの移動でも車や自転車をつかってしまいます。
一日の歩行距離は都会にいるときの方が多いかも知れません。
朝とかジョギングされている方多いです(犬の散歩も多いです)。
しかし、冬場(11月~4月?)はそうそうジョギングする気は起きないかもしれま
せん。
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